――ゲームセンターで楽しむ、憧れのドライブ
▶ ドライブ/画面方向:奥
稼働年:1986年 メーカー:セガ 主な入力:ハンドル・ペダル・シフト
1980年代半ば、風営法の改正によってゲームセンターを取り巻く環境が変化するなか、セガは女性やカップルを含む幅広い人々が楽しめる場所を目指していました。鈴木裕氏が手掛けた『アウトラン』も、勝敗を競う従来のレースゲームではなく、誰もが憧れのドライブを楽しめる作品として構想されました。
当時のセガは、画面や操作装置だけでなく、動く大型筐体まで含めてゲームの感覚を作る「体感ゲーム」を展開していました。『アウトラン』の専用筐体も、ハンドル操作に合わせて座席が左右に動き、画面の速度感を身体へ伝えます。家庭用ゲーム機では味わえない体験そのものを、ゲームセンターの魅力にしようとしたのです。
舞台となるのは、海岸、砂漠、山道、街並みなど、海外旅行を思わせる風景です。道路や背景を滑らかに拡大して表示する技術と専用筐体の動きによって、ゲームセンターにいながらスポーツカーで異国を旅する感覚を作り出しました。
プレイヤーは分岐する道から進路を選び、スタート前にはカーラジオを思わせる画面から3曲の音楽を選びます。決められたコースや音楽を与えるのではなく、どんな景色を、どの曲とともに走るかをプレイヤーへ委ねたことが重要でした。
選択曲の一つ「Passing Breeze」は、当初「Passing Wind」と名付けられていました。しかし、アメリカでは別の意味にも受け取られると指摘され、現在の題名へ変更されたと作曲者の川口博史氏が明かしています。

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