『beatmania』

――プレイヤーを音楽の演者に変えたゲーム

▶ 音楽ゲーム/画面方向:固定
稼働年:1997年 メーカー:コナミ 主な入力:5鍵盤+ターンテーブル

『beatmania』の初期構想は、ボタンを押すと音が鳴り、光や映像が反応する、勝敗のないエレメカに近いものだったといわれています。そこへ手本となる譜面、入力の成否、クリア条件、そして「観客を盛り上げるDJ」という役割を与えることで、音遊びを上達と挑戦のあるゲームへ作り変えました。

本作以前にも、家庭用では1996年の『パラッパラッパー』が、音楽に合わせてボタンを押す遊びを示していました。翌年に登場した『beatmania』が選んだのは、家庭用コントローラーではなく、5つの鍵盤とターンテーブルを備えた専用筐体です。本物のDJ機材をそのまま再現するのではなく、鍵盤を叩き、レコードをこする特徴的な動作を、誰でも挑戦できるゲーム操作へ翻訳しました。

大音量で流れるクラブミュージックや筐体の電飾、両手を使って演奏する姿は、周囲の客にも強くアピールしました。プレイヤーは画面内の人物を動かすのではなく、自分自身が人前に立つ演者になります。上手なプレイに人が集まり、それを見た次の客が挑戦するという、ゲームセンターならではの観客性も生まれました。

PlayStationやセガサターンによって家庭用ゲーム機がアーケードへ近づいていた時代に、『beatmania』は専用の操作装置と大音量の空間によって、店でなければ味わえない体験を提示しました。その成功は、楽器や足、全身の動きを入力に変える発想へ広がり、後のBEMANIシリーズや各社の体感型音楽ゲームが発展する出発点となりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました