――ゲームセンターで発展した「遊び」を家庭に残す
Game History Hub(GHH)では、ゲームセンターで発展してきたゲームの歴史を展示していきます。インベーダーブーム以降、ゲームセンターは最先端のゲームを楽しめる場所となりました。そこで生まれた遊びを家でも楽しめるように家庭用ゲーム機が発展し、ファミリーコンピュータの大ブームによって、ビデオゲームは広く一般家庭へ普及していきます。
一方、風営法の改正などを背景に、ゲームセンターにも一般化が求められる時代となります。そうしたなか、1980年代中盤から目立つようになったのが、大型筐体によって家庭用ゲームとの差を分かりやすく示す戦略でした。大きな画面、動く座席、専用の操作装置、音響、光、振動などを取り入れ、家庭では簡単に再現できない体験を提供する場所として独自に発展していきます。
大型筐体をそのまま家庭へ持ち込むことは困難ですが、相応の機材や費用を用意すれば、ゲーム部分の多くを楽しめるよう移植された作品は少なくありません。特に重視するのは、「家庭では再現しにくいけれど、工夫すればかなりの部分を再現できる」という領域です。ゲームセンターで何が特別だったのか、家庭用への移植で何が残り、何が変わったのか、そして現在どこまで体験を取り戻せるのかを見ていきます。
まず扱うのは、見た目のインパクトとして分かりやすい「特殊出力」です。ゲームセンターには、ホログラムを利用したゲーム、特殊な鏡を使ったディスプレイ、ベクタースキャン表示、レーザーディスクの映像を用いた作品などがありました。その中から、実現しやすい展示として三画面ゲームを取り上げます。当時、干渉問題を大型筐体内の鏡で解決した三画面表示も、今では格安のディスプレイを普通に横へ並べて実現できます。歴史的なインパクトを持つ『ニンジャウォーリアーズ』を紹介しますが、『ダライアス』シリーズにも複数の多画面作品があるので、環境を再現できたらぜひ楽しんでみてください。
次に扱うのが、一般的なボタンやスティック以外の「特殊入力」です。タッチ、音声、カメラ、楽器型コントローラー、カードの読み取り、身体動作など、入力方法が変わるとゲームのルールやプレイヤーの遊び方も変化します。初期には従来のビデオゲームへ変化をつける仕掛けとして使われる例も多くありましたが、大型筐体にインパクトが求められるようになると、単なる差別化ではなく、「その入力だからこそ、この筐体とゲームが成立する」という方向へ発展しました。
三つ目の軸は、革新性と完成度です。80年代を主として、新しい仕組みを生み出した作品だけでなく、先行する仕組みを磨き上げ、遊びや演出の完成度を高めた作品も取り上げます。最初に考案した作品と、それを完成させて普及へ導いた作品の双方が、ゲームセンターの発展を形作った歴史だからです。

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