『ニンジャウォーリアーズ』

――タイトーの3画面筐体
『ダライアス』から『ニンジャウォーリアーズ』へ

▶ シューティング/アクション/画面方向:横
稼働年:1987年 メーカー:タイトー 主な入力:8方向レバー+ボタン

1980年代半ば、ファミコンが一般家庭へ普及しつつあるなか、アーケードゲームでは、家庭では再現できない体験を目指した専用筐体が相次いで登場しました。セガの『ハングオン』をはじめ、映像だけでなく、筐体の動きや音、振動まで身体で味わう「体感ゲーム」が注目を集めていた時代です。

この流れに対するタイトーの答えが、『ダライアス』の3画面筐体でした。1987年の『BEEP!』誌に掲載された開発記事によれば、企画の出発点はゲーム内容ではなく、「継ぎ目のない3画面」というハードウェアの構想でした。その広さを何に使うか検討した結果、横スクロールシューティングへ結び付けられたのです。

ブラウン管を横に並べるだけでは、磁気干渉を避けるため画面の間に大きな隙間が生じます。そこでタイトーは、筐体内部のモニター映像をハーフミラーで反射させ、三つの画面を一つの横長映像に見せました。継ぎ目の目立たない横長画面と座席下のボディソニックが迫力を身体へ伝え、警告音や爆発の衝撃を映像、音、振動が一体となった体験へ変えています。

一方、専用筐体は開発費も製造費も高く、豪華にしすぎれば店舗が導入できません。3画面を一作品限りの仕掛けで終わらせず、別の遊びへ展開することには、表現面だけでなく事業面でも意味がありました。その次の答えが、1988年の『ニンジャウォーリアーズ』です。

『ダライアス』が横長画面を広大な戦場と巨大戦艦の表現に使ったのに対し、『ニンジャウォーリアーズ』は、多数の敵が左右から迫るアクションゲームへ利用しました。画面全体から敵の位置を読み、苦無による攻撃とガード、数に限りのある手裏剣を使い分ける。3画面は背景を豪華に見せるだけでなく、距離と間合いを判断するための遊びの空間になっています。

そこへ重なったのが、ZUNTATAによる音楽です。「DADDY MULK」は電子音、ボコーダーボイス、三味線の響きを組み合わせ、世界へ広がっていた「NINJA」のイメージと和の音色を、未来的な格好よさへ組み替えました。横長の映像と強い音楽が一体となり、筐体の周囲まで作品世界へ変えていきます。

同じ3画面から、『ダライアス』は空間の広大さを、『ニンジャウォーリアーズ』は敵との距離や間合いを引き出しました。タイトーの3画面筐体は、単に画面を大きくしたものではありません。家庭用ゲーム機との差を求めた時代に、映像、音、振動、そして筐体の置かれた場所まで含めて、遊びの空間を設計しようとした試みだったのです。

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